【ライスボウル】『第72回ライスボウル』観戦で見えたアメフト業界の光と影

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ライスボウルとは?

「ライスボウル」は、アメリカンフットボールの日本一を決める大会で、実業団No.1チームと大学No.1チームが戦う試合のことである。

出場条件は、学生は全日本大学選手権「甲子園ボウル」における優勝チームで、社会人は日本社会人選手権「ジャパンエックスボウル」における優勝チームとなる。

第72回ライスボウルでは、社会人王者の富士通フロンティアーズと大学生王者の関学大ファイターズの激突となった。

東京ドームで行われたこの試合に集まった観衆は26,656人であることからも、この試合の注目度の高さが分かる。

試合内容

第1Qから富士通がフィジカルの差を活かしたランプレーで試合を優勢に進めていた。

関学大はパスが通らず、キックで陣地を返すしかない状況が続く。また、試合の序盤でインターセプトからのタッチダウンも喫してしまい、厳しい試合となっていった。

これは、学生からのプレッシャーとは比較にならないプレッシャーを社会人から受けていたことで起こったように見えた。

試合中盤はランプレーで前進した富士通が連続でタッチダウンを決めていき、徐々に試合が決まっていく。

関学大もエースのQBと併用して、ランプレーが得意なQBを投入し、狙いを絞りにくくする。この策も最初はハマっていたが、QBのランを潰され、打つ手が無くなってきていた。

試合中盤から終盤は、疲労と集中力が減ってきたせいか、学生側に怪我人が増えていく。

この辺りで、帰宅する客が目立ち始めてきた。

試合最終盤に関学大はこの試合2度目のタッチダウンを奪い、意地を見せた。

試合観戦の感想

社会人チームと大学生チームの力の差、フィジカルの差を感じた。特に外国人選手を学生が止めるのは難しく、簡単に10ヤード進まれる状況であった。

フィジカルの差がプレッシャーとなり、通常の試合よりも疲労感が増し、学生側に6名もの怪我人が出る結果となってしまったように見えた。

試合中に選手に怪我をさせてやろうという意図の危険なタックルやプレーは無かった。

しかし、両チームに怪我人が多数出てしまったことで、アメリカンフットボールは危険なスポーツであるという印象を持つ人が出てきてもおかしくは無い。

アメフトの最高峰リーグNFLでも競技中の脳震盪や重大な怪我が起きないよう最大限注意を払っている。

そういう意味でも、実力差のあるチームが戦う『ライスボウル』の意義を見出すことは難しいのではないだろうか?

日大危険タックル事件

2018年5月に世間を騒がせた日大の危険タックル事件。

危険タックル事件の被害者は関学大のQBであり、この試合もエースとして出場していた。そのこともあり、今回のライスボウルは注目度が高い試合だっただろう。

【ノーカット動画】関東学生アメフト連盟が会見 日大アメフト部悪質タックル問題
日大の謝罪会見(おもしろ会見)

両チームともクリーンでレベルの高い試合を見せてくれてはいたものの、結果として8名ほどの怪我人が出てしまうと、アメフトが暴力的なスポーツだと誤解されかねない。

アメフトの認知向上、マネタイズする上で『ライスボウル』は重要であることは理解しているが、社会人チームと大学生チームが戦う今のレギュレーションはフィジカルの差が大きすぎるため、変更する必要があるのではないだろうか。

アメフトは、日本ではまだまだマイナースポーツである。このような華試合で注目を集めても、選手の消耗を招き、将来の競技力・エンタメ性を消費しているに過ぎないように映る。

NFLの次のリーグとして、独自に成長してく道を模索してほしい。

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