ついにカウントダウンが始まった。2026年6月11日に北米3カ国で開幕するFIFAワールドカップ26。SAMURAI BLUE(日本代表)はグループFに入り、オランダ、チュニジア、UEFA欧州プレーオフB勝者との3試合が確定した。これまで「ベスト16の壁」を感じさせることさえあったが、今の日本はもう違う。そういう空気が漂っている。
代表が取り巻く環境
グループ抽選でオランダと同組になったことは、正直シビれた。でも今の日本代表ならやれるんじゃないかって思わせるところがある。
森保一監督が率いるチームはアジア最終予選を圧倒的な内容で突破し、世界最速レベルで本大会出場権を確保。FIFA最新ランキングは18位で、ポット2としての抽選に臨んだのも当然の結果だった。
欧州のトップリーグで主力を張る選手が異例なほど多く、久保建英(レアル・ソシエダ)、三笘薫(ブライトン)、鈴木彩艶(パルマ)、佐野海舟(マインツ)らは軒並み市場価値が急騰中だ。3月にはスコットランドと、4月にはウェンブリーでイングランドとの強化試合も決定しており、本番を想定した「仮想・欧州」のテストマッチが組まれている点も心強い。
ただ、懸念もある。南野拓実の前十字靭帯断裂に始まり、遠藤航・冨安健洋の長期離脱、谷口彰悟の重傷など、主力の負傷が相次いでいる。それでも「誰が出ても強い」と感じさせる選手層の厚みは、歴代最強と言っていいかもしれない。
GK
GK候補一覧
| 選手名 | 年齢 | 所属クラブ | 選出可能性 |
|---|---|---|---|
| 鈴木 彩艶 | 23 | パルマ(伊) | 当確 |
| 大迫 敬介 | 26 | サンフレッチェ広島 | 有力 |
| 小久保 玲央ブライアン | 25 | シントトロイデン(ベルギー) | 有力 |
| 谷 晃生 | 25 | FC町田ゼルビア | 候補 |
| 野澤 大志ブランドン | 23 | アントワープ(ベルギー) | 候補 |
注目選手:鈴木彩艶
正直、ここまで早く「鈴木で決まり」って空気になるとは思っていなかった。190cm・100kgという体格から繰り出す長距離フィードは、現在の「3-4-2-1」システムにおけるカウンターの起点として機能している。セリエAのパルマで守護神として定着し、市場価値は2,000万ユーロに達した。アジア人GKとしては異例の評価だ。パリ五輪で台頭した小久保玲央ブライアンとのハイレベルな世代交代は、2022年大会で権田修一が担ったポジションを、より強力な形で埋めたと言える。
DF
DF候補一覧
| 選手名 | 年齢 | 所属クラブ | 選出可能性 |
|---|---|---|---|
| 板倉 滉 | 29 | ボルシアMG(独) | 当確 |
| 町田 浩樹 | 28 | ホッフェンハイム(独) | 当確 |
| 伊藤 洋輝 | 26 | バイエルン(独) | 当確(状態次第) |
| 菅原 由勢 | 25 | ブレーメン(独) | 有力 |
| 高井 幸大 | 21 | トッテナム(英) | 有力 |
| 渡辺 剛 | 29 | フェイエノールト(蘭) | 有力 |
| 橋岡 大樹 | 26 | ルートン(英) | 候補 |
| 関根 大輝 | 23 | スタッド・ランス(仏) | 候補 |
| 長友 佑都 | 39 | FC東京 | 候補 |
| 中山 雄太 | 29 | FC町田ゼルビア | 候補 |
注目選手:高井幸大
川崎フロンターレから直接トッテナムへ。この移籍が象徴しているのは、「日本の若手はもう格下の経由地を通らなくていい」という事実だ。192cmの高さと足元の技術を兼備した21歳は、森保監督が積極的に最終予選で起用してきた選手でもある。本大会時は22歳。セットプレーで怖さを出せるCBとして、3バックの一角を担う可能性は十分だ。
バイエルンに所属する伊藤洋輝も忘れてはならない。2025年に中足骨骨折という重傷を負ったが、2026年2月時点では完全復帰済みと報告されており、世界最高峰のクラブで左CB・左WBの両方をこなせる唯一無二の存在だ。彼のコンディションがチームの戦術的自由度を大きく左右する。
MF
MF候補一覧(ボランチ・セントラル)
| 選手名 | 年齢 | 所属クラブ | 選出可能性 |
|---|---|---|---|
| 守田 英正 | 30 | スポルティング(葡) | 当確 |
| 遠藤 航 | 33 | リバプール(英) | 当確(負傷次第) |
| 田中 碧 | 27 | リーズ(英) | 有力 |
| 佐野 海舟 | 25 | マインツ(独) | 有力 |
| 藤田 譲瑠チマ | 24 | ザンクト・パウリ(独) | 有力 |
| 旗手 怜央 | 28 | セルティック(スコ) | 候補 |
MF候補一覧(攻撃的MF・WB)
| 選手名 | 年齢 | 所属クラブ | 選出可能性 |
|---|---|---|---|
| 久保 建英 | 24 | レアル・ソシエダ(西) | 当確 |
| 三笘 薫 | 28 | ブライトン(英) | 当確 |
| 堂安 律 | 27 | フランクフルト(独) | 当確 |
| 鎌田 大地 | 29 | クリスタル・パレス(英) | 当確 |
| 伊東 純也 | 32 | スタッド・ランス(仏) | 有力 |
| 中村 敬斗 | 25 | スタッド・ランス(仏) | 有力 |
| 鈴木 唯人 | 24 | フライブルク(独) | 有力 |
| 三戸 舜介 | 23 | スパルタ・ロッテルダム(蘭) | 候補 |
| 相馬 勇紀 | 29 | FC町田ゼルビア | 候補 |
注目選手:佐野海舟
市場価値2,500万ユーロ。この数字が彼の現在地を雄弁に語っている。マインツで見せる「走って、奪って、また走る」というシンプルなスタイルの徹底が、ブンデスリーガで異彩を放っている。遠藤航が長期離脱中の今、最もポジションを「奪いにいける」選手の一人だ。単なるバックアップではなく、最初から先発を争える実力がある。
注目選手:久保建英・三笘薫
この二人が揃ってフルコンディションで本大会を迎えられるか、それだけで日本の「ベスト8」可能性が大きく変わる。久保のラ・リーガで磨いた創造性と、三笘のプレミアリーグで完成させたドリブルは、欧州の強豪DFにとっても脅威だ。市場価値はともに3,000万ユーロで、もはやアジアの選手ではなく「世界市場のプレイヤー」として扱われている。
FW
FW候補一覧
| 選手名 | 年齢 | 所属クラブ | 選出可能性 |
|---|---|---|---|
| 上田 綺世 | 27 | フェイエノールト(蘭) | 当確 |
| 前田 大然 | 28 | セルティック(スコ) | 当確 |
| 小川 航基 | 28 | NEC(蘭) | 有力 |
| 古橋 亨梧 | 31 | バーミンガム(英) | 有力 |
| 町野 修斗 | 26 | ボルシアMG(独) | 候補 |
| 細谷 真大 | 24 | 柏レイソル | 候補 |
| 浅野 拓磨 | 31 | マジョルカ(西) | 候補 |
| 後藤 啓介 | 20 | シントトロイデン(ベルギー) | 候補 |
注目選手:上田綺世 vs 小川航基
CFのレギュラー争いは、今の代表で最も目が離せない競争かもしれない。フェイエノールトで安定した得点を積み上げる上田は、ポストプレーとシュート技術を兼備した正統派ストライカーだ。一方、上田が欠場した最終予選の試合で3ゴールを挙げた小川航基は、「泥臭くゴールをもぎ取るタイプ」として存在感を示した。小川は最終予選の得点ランキングでもチームトップ級の数字を残している。どちらがより「本大会向き」か、本番直前まで議論が続きそうだ。
選考微妙
怪我・コンディション問題を抱える選手
| 選手名 | 状況 | 選外リスク |
|---|---|---|
| 南野 拓実 | 左膝前十字靭帯断裂(2025年12月) | 極めて高い |
| 遠藤 航 | 足首付近の負傷(2026年2月) | 中〜高(回復次第) |
| 冨安 健洋 | 慢性的な負傷離脱中・3月復帰目標 | 中(稼働率が鍵) |
| 谷口 彰悟 | アキレス腱付近の重傷・長期離脱 | 高(年齢・回復期間の問題) |
最も痛いのが、南野拓実の欠場がほぼ確定という現実だ。ACL断裂は全治最低9ヶ月とされており、6月の本大会開幕に間に合う可能性はほぼない。最終予選で攻守の連結点として全試合先発だった彼の不在は、単純な得点力だけじゃなくチームのバランス面にも影響する。代わりに鎌田大地や鈴木唯人が候補になるが、「完全な代役」にはなれない部分もある。そこをどう埋めるかが、森保監督の手腕が問われるところだ。
遠藤航については「もしいなければ痛い」と森保監督自身が発言している。リバプールで高く評価されているキャプテンが不在のシナリオは、精神的支柱という意味でも大きな損失だ。ただ、シーズン終盤の復帰を目指しているともいわれており、最後まで状況を注視したい。
冨安健洋は3月の復帰を目標に調整中という情報がある。世界基準のDFが戻ってくれれば守備の安定感が段違いになる。本人も前向きなコメントを残しており、代表への意欲は失っていない。
まとめ
グループFはオランダ、チュニジア、UEFA欧州プレーオフ勝者という顔ぶれ。正直「死のグループ」と呼ぶほどではないが、オランダは間違いなく今大会でもトップクラスの相手だ。ただ、2022年大会でドイツとスペインを撃破した日本に「無理」とは言えない。むしろその2大会の経験を積んだ上で今に至っているのが、今の代表だ。
問題は負傷者の状況。南野のACL断裂と遠藤の足首問題が直前に重なったのは誤魔化せない痛手だが、鎌田・佐野・藤田といった「次の世代」にとっては絶好のチャンスでもある。3月のスコットランド戦、4月のイングランド戦が、ある意味で「最終選考に近い位置づけ」になるかもしれない。
久保と三笘が輝き、鈴木彩艶が壁になり、上田か小川がゴールを奪う——そんな理想の絵がどこまで描けるか。今夏の北中米で、SAMURAI BLUEがどこまで行けるのか。目を離せない。